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用紙サイズ横33.5cm×縦22cm
画寸サイズ横30cm×縦19.5cm
額縁(内寸)サイズ横42.5cm×縦35cm
全面アクリル額横31.7cm×縦42.2cm









【白須賀 汐見坂ノ図】(しらすか しおみざかのず)
【白須賀 汐見坂ノ図(しらすか しおみざかのず)】

荒井宿から6.8キロ。ひろびろとした遠州灘の大景観が見られる汐見阪を越して、白須賀の宿に入ります。

この絵は左右をシンメトリーに構図した作として面白い仕上がりになっています。手前の丘陵の線が左右に高く、中央がへこんでいる孤線でありますが、この湾曲した線を用いることは、広重独特の構図法といい、他の図でも度々これを用いています。左右の松の木も、ほぼ相対的であり、遠く水平線の白帆も相対的で装飾的です。その構図を駆使し、坂を黙々と下っている大名の行列が坂の険しさを表現しています。


坂を黙々と下っている大名の行列が坂の険しさを表現しています。

網を干す光景からわかるように手前に漁村が広がっています。

遠く遠州灘を見渡すすがすがしい構図です。

印象的な空を表現する一文字ぼかしの下には,東海道五十三次とともに地名と作品名が書き入れられています。

歌川広重(うたがわ ひろしげ)

寛政9年(1797)~安政5年(1858)江戸八代州河岸の定火消同心、安藤家の長男として生まれた広重。13歳の時、相次いで両親を亡くし同心職を継ぎますが、幼少の時から絵を描くことを好み、歌川豊広の門下となったのが15歳の頃。初期は美人画や役者絵などを描き、1831年頃に発表した『東都名所』シリーズが広重を一流の浮世絵師の地位に押し上げていきました。透視図法を取り入れた画面構成、遠近の対比、広重ブルーといわれる深い藍色の色調やぼかし摺りにも成功しています。そして広重の代表作、1833年頃に刊行が始まった『東海道五十三次』は、浮世絵史上最大のヒット作になりました。晩年には江戸への思いを込めた一大連作『名所江戸百景』に取り組み、好評のために百景を越え、百十五図が刊行されました。

東海道五十三次 歌川広重

江戸と京都を結ぶ東海道は、いまも昔も変わらぬ交通の大動脈です。その道のりに設けられた53の宿場と出発点の江戸日本橋、終点の京都三条大橋の図をあわせた五十五図の浮世絵シリーズです。今では想像もつかないことですが、江戸時代の人々は日本橋から京都までおよそ2週間をかけて旅をしました。気軽にはできない東海道の旅への憧れから、この作品は見る人に旅の疑似体験を与え、大ヒットとなりました。広重は、それぞれの宿駅ごとに季節感のある題材を選び、それは景観だけにとどまらず、風俗も描きながら、そこに行き交う人々の生命力あふれる存在感をも描き出しました。



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